すげー久々の投稿でこんにちわ。
そういえば昨年末の旅行記を途中でぶん投げているなと思い出したのですが、如何せん旅行記に飽きてやる気がゼロなので仕方ないよねという感じです。
というか、最近なにかもっと大事なことを忘れているような気がして成りません。
なんでしょうか・・・うん、このブログはMYOGのブログなはずです。
というわけで今回は、ウルトラライトな登山財布を作ろうの巻なのです。
久々の更新&MYOGネタです、お付き合い下さい。
私、普段は長財布を使っているのですが、登山の時に非常に困っておりました。
なんせデカイ上に革なので、ザックに入れると主張するし、汚れが気になって気になって仕方なかったのです。

デカすぎ重すぎ、今までこれ持って山登ってたんです・・・・。マジで。
ってか今考えると狂気の沙汰ですな、ウルトラライトメンに見られたら地面に叩きつけられた後ツバ吐かれますわこれ。
「・・・・What!?ファッキンウォレット!!」って言った後にバシーン!!からのペッ!!ですわこれ。
いやこれ・・・・リアルガチにタープと同じぐらいの重さあんでこれ、なんやこれ・・・・。引くわ

無意味に12フィート(365cm)のHEXタープと同じ重さの財布を持つ男
んでまぁ「軽くて」「汚れに強い」登山財布を作ろうってわけなのですよ。
当然ULを標榜する為には軽くないとアカンわけですな。
そこで、今回の目標は10g以下に設定しました。
余談ですが、米ドル札と日本のお札では日本のお札のほうが大きいので米ドル札用の財布としても対応出来ます。
あと小物なので端材でもできます。
また、今回の生地はRipstop By The Rollにて購入しました。
それでは作っていきましょう。
コンセプティー
今回の財布のコンセプティーは・・・・
「作るの簡単で軽い」
これだけ!
ミシンに慣れていない方も、実用的な小物作りから始めてみましょうってな話なのです。
今回はデザイン性よりも実用性と作成の容易さを追求して作っていきます。
型紙はじめました
なんとなく取っつきやすい方が良いかと考え、財布の型紙を用意してみました。
画像をクリックするとPDFが開きます。
A4に収めましたので、ご家庭でもプリントアウト出来るかと思います。
縫い代は書いてありません。
型紙印刷時の注意事項
PDFを印刷する場合は、印刷によるサイズの変更を防ぐため、必ず一旦ファイルをダウンロードしてからAdobe Acrobat Reader DCで開いてください。
また、印刷ボタンのプロパティからカスタム倍率を100%に合わせるのを忘れないようにしてください。
必ず本体外側(outside fabric)のサイズが表記通りのサイズで印刷されているかの確認をしてから次の工程へ進みましょう。
工程1.生地を用意して型紙を切り出す。
生地については化繊の防水生地なら何でも良いです。
私は1.1 oz Silnylon(Ripstop by the rollのシルナイロン購入ページが開きます)で作りました。
選定理由は軽さと防水性、価格の安さです。
ただ、薄すぎてコシが無い上に、この登山財布は設計上、防水性が低いので、お好きな素材を使われるとよろしいかと思います。
個人的にもう一つ作るとしたら、210D HDPE Gridstop(ダイニーマリップストップ生地)やX-pac LiteSkin LS07なんかを購入するかもしれません。
設計的に防水機能は無いですが、防水生地を使うことで濡れの緩和は期待できます。
では、作っていきます。

別に同じ生地でもいいんですが、今回は内側と外側で生地を変えました。
型紙を切り出していきます。
上でPDFとして添付した型紙は作成時の型紙から更新されています。
なので、作成過程の画像で出てくる型紙には古いバージョンでお届けします。
混乱させてしまい申し訳ございません。

型紙を切り出します。
綺麗に切りましょう。
切り出したら確認のため並べておきます。

外側は紺、内側は黄色で行きます。
工程2.生地に型紙を写す
型紙には縫い代がありませんので、縫いやすい幅で縫い代を入れて下さい。
ちなみに私は5mmしか取りませんでしたが、これは生地の端がほつれないように切るからです。

縫い代が短いほうが軽量化にもつながります。
この時点で5番と6番の小銭いれのラインも引いておきましょう。

折り返しのラインを入れておくとよいでしょう。
線が引けたら次はカットです。

シルナイロンは表面がつるつるなのでチャコペンのノリが悪くて困ります。
工程3.半田ごてでカットしていく
何度かご紹介しているのでご存知だとは思いますが、化繊の生地は半田ごてを使うとカットとほつれ止めが同時に出来るので便利です。
カット用の刃先が付いている半田ごても有りますが、普通の細い半田ごてのほうが使いやすいと思います。

半田ごてで溶かし切る。これが出来るのが化繊の大きなメリット。
縫い代に注意してカットしていきます。
今回は直線でサイズがほぼ同じ物ばかりなので気をつければ難しいところもないでしょう。

カット終わり。パーツもこんだけしか使わないので楽勝です。
半田ごては布用とかカッターみたいな先っちょが付いてる奴は必要ありません。
こんなので十分です。
工程4.PET抑えパーツを作る。
小銭いれの蓋をどう閉めるかで色々考えたのですが、トップキルト編その3の経験から良い方法を思いつきました。
PETボトルからパーツを切り出し、そのバネの力を利用して小銭入れの蓋の抑え(以下PET抑え)を作ろうという目論見です。
では、ペットボトルより任意の大きさで板を切り出します。
ここで使うペットボトルは強度などを考えて炭酸飲料用が良いでしょう。
近所のスーパーで見た限り、キリンレモンのペットボトルは真っ直ぐなラインが長く、使いやすそうに見えました。
私は愛飲しているPEPSIストロングゼロで作ります。

PEPSIストロングゼロ、美味いので常備してます。
これを縦に切り、細い板状のPET抑えを2枚作ります。

まずは上下を落とし
厚さは後で調整します。

縦に切り込みを入れます。
厳密である必要はありませんが、型紙の5、6の「PET抑え折込」の幅に合わせて切ると良いでしょう。
その後四隅を落とし、バリ取りを兼ねて端をライターで炙るのですが、炎が振れるか触れないか程度で十分です。
炙りすぎると変形してしまい、やり直しになるので注意しましょう。
まぁ人生と同じでいくらでもやり直せるのでいい塩梅を探ってみて下さい。

炙りすぎ注意!!!やり直しになります!!
その後、切り出した板の幅に合わせて、5と6の型紙を縫っていきます。
ちなみに、半田ごてを使って端を溶かしているので、ほつれの処理は不要です。
今回の端の処理は二つ折りがメインとなります。

財布なので強い力がかかることはありません。気になる方は三つ折にされるとよいでしょうが、縫い代を増やさないと難しいでしょう。
5番,6番のPET抑えから先に縫っていきます。
この場合も端は2つ折りで縫っています。

PET抑えの幅を見て折り目を付けます。
シルナイロンは薄手なのでマスキングテープで仮止めをすると縫いやすくなります。

マスキングテープが補強になるのです。
が、両面にシリコンコーティングされているので、生地がツルツルしており、マスキングテープがすぐに剥がれちゃいます。キィィ!!
そこで両端を折り返し、保持力を高める工夫をしました。

シルナイロンは表面がつるつるしていてマスキングテープの粘着力が弱まるので、端っこを折り返してマスキングテープ同士をくっつけて補強。
縫った後にPET板を入れるのですが、短辺が曲面になっているので、ちょっと注意が必要です。
トップキルト編その3で用いた以下の画像の様に曲がりやすい方向が決まっています。

なので、凸面が上側に来るように配置しましょう。
小銭入れが開く向きを良く考えて差し込んで下さい。

こう組み合わせた時に上にパカーってなりやすいように入れます。・・・なんのこっちゃ
要はこうなってほしいわけですね。

横から押したらパカー
工程5.内側を縫う
内側の黄色い部分を縫い付けていきます。
黄色い部分は機能の要なので慎重に行いましょう。とは言え頭を悩ませるのはここだけです。
まーこんなものは大体でいいのですが、小銭いれだけ畳んだ時にちょうどいい塩梅になるように上手く調整しましょう。
下図の様に縫い止めてから畳んで財布の形にしていきます。
こんなもんは適当でいいと思うのですが、
まずカード入れ1は本体内側から5mmほどスペースを儲けました。

カード入れの1です。
カード入れ2は1から適当にスペースを取りました(1cmぐらいかな?)。
マスキングテープで仮止めです。

めちゃくちゃ役立つマスキングテープ!

確か小銭いれの本体も5mm位だったと思います。
だいたいいい塩梅のところに「小銭いれ上」を持ってきます。
きちんと図るのも大事ですが、ここらへんは臨機応変で対応してください。
で、畳んだらこうなる。
小銭いれ同士がきちんと重なっていないと小銭がこぼれてしまうので注意です。
いい塩梅で畳んだら、マスキングテープで仮止めして2つ折で縫い付けます。

端を二つ折りにして縫います。できるだけ端を縫いましょう
これで内側の機能はほぼ完成です。
カードや小銭を入れてテストしてみましょう。
私の場合小銭入れてジャラジャラしてたら普通にはみ出てきてしまいました・・・・。

小銭チラリズム
えぇ・・・・駄目じゃん・・・・。なにこれ・・・・。
なんで、小銭がでてこないように小銭入れの上の部分を縫い込んでしまいます。

これでいくら振っても小銭はでてこなくなりました!おーいえー!
MYOGに失敗はつきもの、そこから如何にリカバーするかが腕の見せ所で、楽しいところですね。
内側はこれで完成しました。
工程6.外側を縫う
内側ができたら外側を縫っていきましょう。
つっても外側は全く難しくありません、必要なのは端の処理だけです。
それだけだと面白くないので、私はリボンを四辺につけて補強し、フックなどに引っ掛けられるようにループもつけました。
外側の機能は皆さん好き好きにやっちゃってください。

外側は適当でオッケーオッケー
ただ、これ補強してみたものの別に要らなかった感が強いんですよね。
やった所でペラペラなんで、補強の効果はよくわかりません。
こんな事をするぐらいなら外側だけでもハリのある生地にすると良いかもしれないですね。

二つ折りにした端にリボンを縫い込んでいます。
続いてループをつけます。

こんな感じで、二つ折りした中心から少しずらしたところにつけました。
外側に装飾を施したい場合はこの時点でやっておくのがいいでしょう。
特にループなんて要らないって場合は上下だけ二つ折りで縫って次の工程へ進みましょう。
この時点で縫うのは上下だけです。

横は内側と縫い合わせます。
工程7.内側と外側を組み合わせる
内側と外側を組み合わせていくのですが、大事な点は2つ。
1.まず、横を合わせて縫う。
2.下の中心1.5cmは縫わない。
これだけです。
お札を入れる口となる上側はそのままにしておき、まずは横から縫っていきます。

まず両側から縫って、次に下側を縫います。
外側の生地が大きいので、横を合わせると下のように中心部がたわむと思います。
このたわみがあるおかげで、お札を入れても綺麗に二つ折り出来るのです。

横をあわせてから下側を縫うことでこの様になる。
これで完成です!!
いやーお疲れ様でした。これで長財布の呪いから開放されます!
やったー!!!!
・・・・と、言いたいところですが、もう少し改良が必要でした。
工程8.小銭入れの補強を行う
シルナイロンは生地自体がペラッペラなので、そのままでは少し使いづらい感じです。
カード入れはカード自体が補強板の役割を果たしてくれるのでいいのですが、小銭入れにはそういったものが無いので、使いづらくて仕方ありません。
そこで、いわゆるクリアファイルを加工して小銭入れの補強板として使うことにしました。
ふつーのクリアファイルで十分です。

小銭入れの大きさに切る。
切ったクリアファイルを小銭入れに入れます。

UL的には蛇足感ありますが・・・。
クリアファイル板を入れることで劇的にお釣りが出しやすくなります。

パカー!
シルナイロンにこだわる必要は無いので、皆さんはもっとコシのある生地を使われるとこのような蛇足が無くて良いかもしれません。
何はともあれ、これで本当に完成です!!

カードは8枚程度、お札は10枚は余裕です、小銭はあんまり入れないほうが良いと思います。

防水機能はさておき、お札がとても取り出しやすい構造です。

小銭へのアクセスもラクラク!パカー!

めちゃめちゃ小さくなりました!いえーい!
気になる重さは・・・・・
驚異の5.9g!!!
今までの長財布が380gだったので、その差なんと1/64!!!

これはない、これはないわー・・・。
目標だった10g以下もラクラククリアでご満悦です!
いやー、やっぱりMYOGは楽しいですね!
非常に簡単ですので、皆さんもぜひチャレンジしてみてください!!
・・・・ちなみに、クリアファイルなしなら4.8gでした。

1gなら入れたほうが良いですね。
追記
そんなこんなで、UL財布でしたが、いかがでしたでしょうか?
ちなみにこの財布、2017年の12月10日に作っており、すでに半年以上使っています。
実際に使ってみた感想としては、非常に使いやすくて、コンパクトなのでどこに入れてもかさばりません。
汗をかいても平気ですし、小銭もはみ出さず、非常に使いやすい財布です。
不満点を上げるなら、シルナイロンの生地がなめらか過ぎてカードがズルズルでてしまう点と、少し強度に不安がある点でしょうか。
それ以外は概ね満足しています。
壊れたら次はX-pac LiteSkin LS07(Ripstop by the rollの購入ページが開きます)か、2.92 oz Dyneema Composite Fabric Hybrid(いわゆるキューベンファイバー)で作ってみようかと思います。その場合は多分10g超えちゃうかな。
ではまた!