トップキルトじゃなくてすいません。
先日市房山に登ってきたので、そっちを先にまとめます。
今回は珍しく、猟の休みが前の週からわかっていたので、前回の教訓を生かし、登る山を吟味していました。
とりあえず尾鈴山か市房山、体力的には尾鈴かなぁ?なんて悩んでいたら、山仲間の「尾鈴は眺望無いよ」の一言で市房山に。
ですが、事前の天気予報では降水確率50%だったので天候は心配でした。
市房山
市房山(いちふさやま)は、九州山地の南部にある日本の山。標高は1,720.8m[1]。熊本県水上村・宮崎県椎葉村・西米良村にまたがる。
登山年中登山は可能であるが、積雪のある12月から2月、夏の7・8月を除いた期間がシーズンとなる。日帰りで登山できる。 登山道は3~7合目が木の根、岩等が多く険しい。7~8合目はなだらかである。8~山頂は坂が急ではあるが、木の根、岩等が無く比較的に楽に登れる。
登山道は、水上村の市房神社(12km)、西米良村槙ノ口(8km[3])、西米良村吐合の竹之元川(17km)からの3ルートがある。水上村側からは市房山キャンプ場、市房神社(4合目)を経由するルートが一般的で、登頂までに4時間近く要する。西米良村側からは槙ノ口からのルートが一般的で、上りが4時間20分・下りが3時間10分ほどで合計7時間30分かかる。椎葉村側からは登山できない[4]。
2011年10月現在、心見橋方面の登山道が崩壊しており立ち入り禁止となっている。
「市房山」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』 最終更新 2016年7月10日 (日) 04:37 UTC
URL:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B8%82%E6%88%BF%E5%B1%B1
ふんふんなるほど、今回はまだまだ体力に自身が無いので、きついと評判の熊本側からではなく、西米良村側、しかも5合目から登ることに。
前乗りして車中泊という選択肢もあったのですが、今回は早起きで対応出来るだろうと判断。
前日夜はある目的のため準備作業をしました。
カーボンフェルトとは溶接などで使われる断熱不燃シートです。
アルコールストーブなどに使われる方もいらっしゃるみたいですが、今回は違います。
今回購入したカーボンフェルトとエスビット
この時点でキャンプに慣れた方なら私のやりたい事を察し、「はっはーん」となっていることでしょう。
そして当日、予報も曇のち晴れに変わって多少雲があるものの問題ないコンディションで一安心。
早朝に雨が降ったようで道路が濡れていましたが、ここから崩れる様な感じはしません。
宮崎市内から西米良村までは国道219号線をひたすら進むのですが、この国道、交通量が少ない割にきちんと整備されているし、トンネルがいくつもあります。
途中がけ崩れの跡や、斜面に崩壊防止の施工が施してあったり、相当な額をかけて整備されている道路だという印象を受けました。
コストに見合うバックはあるのだろうかと疑問に思ってしまいました。
まぁ道路をコストだけで語ってはいけないんでしょうけど。
余談はともかく、ひたすら真っ直ぐ進んでいくと、そのうち西米良村に入ります。
西米良村に入ったら一つ目の信号を右に曲がって暫く行くと、この様な看板が見えてきます。
219では1時間以上信号を見ないので、西米良で信号を見て「あっ信号だ!」と思うはずです。
信号が立派な目印になるのがちょっとおもしろいです。
この標識を左折すると橋になっています。
その橋を渡ったら突き当りを左折して下さい。
するとすぐにY字路になっており、分岐にこの様な看板が出ています。
この看板を見たら右に曲がってひたすら登れば登山口につきます。
が、私は最初、橋を渡って右折してしまい、1時間半程度、西米良村と椎葉村の間をぐるぐる道迷いしてしまいました・・・・。
登山口標識の有る橋を渡ったら左折、これ覚えておいて下さい。
まぁ私のようにおっちょこちょいな人は少ないとは思いますが・・・。
しばらく舗装道路を登って行くと右手に広い駐車場と「登山口」の看板が見えます。
それが5合目登山口です。
さぁ登山口についたら楽しい市房山登山のスタートです。
と、思ったらすぐに5合目の標識が表れます。
5合目からスタートしてなんだか申し訳ない気がしてくる標識です。
5合目を過ぎたら登山道と林道が交差しているようです。
よくわからないので林道を進みました。
林道が結構長いので、本当にこちらで合ってるのか不安になります。
地図を見ると正しいようなので信じて突き進んでいると、避難小屋が見えてきました。
避難小屋のイメージからはかけ離れたかなりきれいな小屋でした。
立派なトイレと休憩所が付いて、ここで停滞しても快適に過ごせそうです。
と、ここで看板を発見。
なるほどよくわからん、登山道だと思っていたところは作業路で、本来の登山道は他にあったらしいのですが、全然気づきませんでした。
まぁ別に初心者なので作業路通った所で悔しいとは思わないのですが・・・・思わないのですが!!ええ。
私が登り始めた時からここまで誰にも出会っていません。
やはり雨が降るかもしれない予報が出ているのに山に登る人は少ないのでしょうか。
それか登山口を探してさまよってしまったので、出発が11時過ぎだったせいかもしれませんが。
何しろ前回といい今回といい一人の登山道は快適そのものですね。
枯れ枝と松ぼっくりなんかを拾っていました。
この豚革手袋、登山用ではないのですが、九州なら冬でもそこそこ快適に使えます。
自然素材の良さというか、汗をかいてもあまり冷えを感じずにいられ、何より丈夫です。
実は私、猟師でも有りまして、道なき道を進む狩猟用として、この手袋がベストの選択肢だと思っています。
ただ、豚革の手袋で黒いものは中々ないんですよねぇ・・・。
私の近所のホームセンターでは、豚革で薄手で黒という条件を満たす革手袋はこの商品1つしか見たことがありません。
みなさんもホームセンターで革手袋を観察してみてください。
白い革手袋ばかりで黒はあっても分厚かったり、手の甲が守られていなかったり、ビニール素材だったりすることを実感出来ると思います。
「何故白ではいけないの?」と思われる方も多いでしょう。お答えします。
猟師は山に入る際、タオルや手袋などの小物でも白いものは身に着けません。
何故なら鹿のお尻が白い為、白いものを身につけると鹿の尻と勘違いされ、誤射される危険性が有ると言われているからです。
「いやいやよく見ろよ」って思われるかもしれませんし、実際その通りなのですが、何よりも誤射を嫌う、というよりは誤射は絶対に起こしてはならないという強い意思の表れとして、ウチの勢子グループでは万が一にでも勘違いされるような白いものを身につけるのは禁忌とされています。
なので、この手袋が必要なのです。
実際に猟で繰り返し使っている為、私の中ではかなり信頼している品です。
1,300円ぐらいなので、みなさんも試してみてください。
あ、防水機能はありません。あしからず。
↓こちらから買えます。
では本題に戻ります。枯れ枝と松ぼっくり、拾ったは良いが何処にしまうかで悩みました。
ビニール袋を持ってくるつもりが、忘れてしまったので何処かにしまわなければなりません。
まぁポケットでいいんですが、コレも何処のポケットに入れるかで悩みます。
パンツのポケットに入れたら太腿が擦れるかもしれないし、行動中邪魔になるかもしれない。
フリースのポケットに入れたらザックの腰当てと擦れるけど、行動中の邪魔にはならない。
ということは・・・そうです。もうおわかりですね。
パンツにねじ込みます。
だってフリースは清水の舞台からエンドレスダイブでお馴染みのフーディニパワーフーディーで3万円、パンツは中国製で3千円ですもの。
最悪破けても良い方はどっちかって話でしょ?そりゃパンツのポケットパンパンにしますわ、小枝と松ぼっくりで。
今日日、小学生でもやらないわんぱくキッズ的な行動ですわ。
この日のフリースとパンツです。フーディニは普段着で着れるぐらいカッコイイです。
まぁそんなこんなで7合目に到着です。
あれ6合目は?
あれ??全部写真に撮るつもりだったのに、6合目が見当たりません。
スルーしたかな、残念。
それにしても市房山は登りやすい。
階段状の登山道などとは違い、なだらかな自然のままの登山道で自分の歩幅で登れます。
前回の高千穂峰と順番が逆だったような気がしてなりません。
高千穂峰がイージーだと思っていたらハードで、市房山がハードだと思っていたらイージー。
日頃の行いのせいでしょうか?
7合目を過ぎて気持ち良いペースで登れば苦もなく8合目です。
なんだが熱い看板にやる気もみなぎって・・・は来ません。
そもそも5合目からの合流なので大して疲れてないのです。
やる気も体力もみなぎり直す程減ってはいなかったのです。
そんで8合目を過ぎると植生も変化を見せます。
深い森から少しづつ木々の背丈が短くなり、ある点を堺に一気に低木が中心の植生に変わります。
こういう変化は興味深いですね。
ここで少し小腹が好いていたので、そう、前回の山行でもご紹介したスポーツようかん、山のお供にスポーツようかんです。
スポーツようかんは少し重さがありますが、喉が乾いていなければ水なしでも食べやすい上に一つ一つが小さく、パッキングしやすい。
その上塩分も入ってるし、マルトデキストリンで甘さ控えめ、水分も適度にふくまれている為運動中の補給食としてはかなり使える奴です。
登山でも使い勝手は良いですよ。
もう少し甘さを控えてもらったほうが好みですが。
冗談抜きに、1年3ヶ月も賞味期限がオーバーしているのに風味等、殆ど劣化を感じられません。
備蓄食料としても優秀なのではないかと思われます。
まぁバチ切れしたの食って腹壊しても責任はもちませんけど。
悲しいのは、この賞味期限バチ切れのスポーツようかん、これが最後の1本だったので、このネタがこれで終わってしまうことです。
新しいの買って食っても何のネタにもならないですもんね。
まぁ買うんですけどね。
賞味期限バチ切れスポーツようかんを美味しく召し上がっている内に、振り向けば眺望が望める高度に。
そんなこんなで9合目。
急に泉とかいい出したので、水場でもあるのかと周りを探索してみることに。
水の流れたような跡はあれど水場はみつかりません。
困ったときの山と高原地図、どうやらここの水場は枯れていることが多いようです。
諦めて先に進みます。
なんか価格が高く表示されているようですが、リンク先に飛ぶと1178円ぐらいで売ってます。
9合目過ぎると急に雪景色が現れました。
雪景色というよりは霧氷が落ちて溶け残っていると言ったほうが正しそうです。
南国宮崎とは思えない幻想的な冬の風景に心が踊ります。
山の非日常を存分に味わう一時です。
と、前方を見るとガスが立ち込めています。
そして霧氷?雪?も多くなっていきました。
それにしても踏み跡すら無い登山道を登るのは楽しいです。
どんどん登っているとついにこんな看板が
いつもは「もうすぐ山頂だーやったー!!」なのですが、今回はまだ登りたい気持ちが強く、「もう山頂かー・・・」って感じでした。
風も出てきて足元は枝から落ちた霧氷だらけです。
私の登山靴はキャラバンのGK-83です。
「日本の山を登るんだから日本のメーカーの登山靴だろ!」とか思って買いました。
私の足にはフィット感いいし、そんなに重く感じないし、下りで脚も痛くならないし、いい靴ですよ。
ただ、登山靴はフィッティングが命なので、最初の一足は信頼できるお店で買うことをおすすめします。
チャレンジャーな方や二足目の方はネットのほうが安く買えるのでネット購入も否定はしませんが。
一応紹介はします。
それにしてもガスっています。
山頂はガスまみれでしょう。
そんなこんなで頂上です。
めっちゃ風吹いてて寒い中自撮りしました。
ブログの為に自撮り棒を持っていきましたが、全然慣れませんねこれ。
使うのが恥ずかしいです。
山頂には熊本側から登ってきたと思われる登山者が2人程いらっしゃって、私が到着するまでは大きな笑い声が聞こえるほど談笑されていたのですが、私が到着して、挨拶して、軽く世間話でもしようと話しかけたらそそくさと立ち去られました。
なんだろう、そんなに不審だったのだろうか、少し傷つきましたポゥ!
山神様が祀られていました。
こういうの気にするタイプなので、二礼二拍手一拝しておきます。
合ってんだよな・・・鳥居だし・・・。
しかし山頂めっちゃ寒い!!
風ビュービューだし、霧氷も本格的に付いてます。
ほんで楽しみにしてた心見の橋も登山道が崩壊したままなのでパスしました。
雪の中立入禁止無視して滑落とかなったら目も当てられないですし。
ではお食事タイムです。
どんなに山頂が寒くても、山頂で白飯を炊いて食うのが私の山行スタイルです!!
山頂で飯を炊くマンは荒天以外で撤退することは無いのです!!
荒天ではさくっと撤退します。山をなめたらあかんです。
風を避けられる場所を見つけて調理セットを展開します。
実はこのチタンテーブル、MYOGしています。
まだ記事に纏められていませんが、そのうち記事にするのでしばらくお待ち下さい。
また余談ですが、皆さんは山行にナイフを持って行かれますか?
以前何人かで山行した際にナイフを見咎められた事が有ります。
私にとって山に入る際には必携の道具なんですけどね。
ここまでヒントが有ればもうおわかりですね。
そうです。エスビットをウッドストーブとして使おうという試みです。
肝心のファイヤースターターの画像が撮れなかったのですが・・・・。
皆さん御存知の通り荒縄はほぐせば良い着火剤となります。
ファイヤースターターで簡単に火がつくので濡れないようにしてギアに忍ばせておくと安心です。
こんなので十分です。
ただ、松ぼっくりに火をつけるまでの火力を出すのは難しいので枯れ葉などがあると良いですね。
前日の前フリと、わんぱくキッズ的な行動はエスビットウッドストーブで飯を炊くマンがやりたかったので準備していたのでした。
皆さんにエスビットの可能性を見ていただきたかったのですが・・・・・
謎の鎮火現象に悩まされます。
以前やったときは上手く行って美味しいごはんが炊けたんですけどね。
今回はすぐに鎮火してしまい、炎が上がってくれません。
諦めるのが悔しくて、1時間ほど粘ってみましたが、それでも無理でした。
原因として考えられるのは2つ。
枝の種類と乾燥具合です。
前回の枝はおそらく杉でスッカスカの状態まで乾燥し、朽ちかけの枝でした。
今回の枝は松っぽく、早朝の雨が残っていて多少湿っていたのだと思います。
エスビットのように枝をごく少量しか燃やせない場合、この多少の湿り気が命取りになるのではないかと考察しました。
風が強かったのも上手く継続燃焼してくれなかった理由の一つかな?
まぁ実際にそうかはわかりませんが、ともかくもうどうにもならないし、寒くて死にそうなので、信頼と実績のグルーブストーブちゃんの出番です。
グルーブストーブ師匠だと安定しすぎてつまらないのが玉に瑕ですね。
まだエスビットウッドストーブの夢は諦めていません、もう少し実験してみることにします。
あ、ちなみに今日の昼食はワンタンスープとサバの炊き込みご飯です。
ご飯をエスビットで炊こうと粘りに粘った1時間、体が冷え切ってしまったのですが、このワンタンに救われました。
メスティンでご飯を炊く方法は皆さんご存知のおなじみのやつです。
おもむろに鯖缶の蓋を開けます。
メスティンにin!
そんで試行錯誤の後にグルーブストーブ神にお願いして炊きます。
で、炊きあがりがこちら。
炊いたご飯を食べると元気がもりもり出てきます。
それまで寒さで死を感じ、ワンタンで少し盛り返したものの、寒さと風にガリガリと削られていた体力が一気に回復しました。
これだから飯を炊くマンはやめられないのです。
元気になってきたのはいいのですが、1時間半ぐらい粘っても山頂のガスは晴れる気配が一切ありません。
展望は諦めて山頂の様子をパノラマで撮りました
うーん、市房山は展望が良くて霧島連山とか見えるらしいんだけどなー・・・残念。
・・・どんだけ残念がっても天候には勝てません。
いい時間になったので下山することに。
下山時に眺望が望めるかなぁとか思っていたのですが・・・・・ガスガスガスガスガスしかねぇよガスぅ!!
どんどん降ります、前述の通り市房山は登山道が自然の道なので下りもメチャクチャ楽です。
8合目から先は小走りで下って行きました。
林道も小走りでトレラン感を出しながら下ります。
すると、上りではスルーしてしまった6合目の看板を発見しました。
で、その後は何事もなく駐車場に着きました。
で、西米良温泉ゆたーとに入り登山終了です。
今回も前回同様、山頂以外では他の登山客と遭遇しませんでした。
両方共メジャーではないコースから登っているからでしょうか?
天候のせいかな?時間かな?
よくわかりませんが、西米良側5合目から登る市房山は高低差も少なく、登山道も登りやすいので初心者の方におすすめです。
天気さえ良ければ展望も望めますし、登山の美味しいところをつまみ食い出来るようなルートです。
帰宅して色々調べてみた所、市房山は熊本側から上ったほうが見ごたえが有るみたいですね。
市房杉とかめっちゃ見てみたいです。
また登ろう、そんな気持ちにさせる市房山でした。
まさかの文字数8000字越え。長くてすいません。