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冬用ハンモック装備 その4 トップキルト(Top Quilt)編 1日目

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いよいよトップキルトをMYOGする!!!

の前に、まず、トップキルトとはどういうものかを説明しよう。

寝袋はご存知であろうが、平たく言えばその背中部分が開いている物がトップキルトである。
では何故背中が開いているのか、答えは簡単、寝袋でも背中部分は体重のせいで潰れており、保温効果が期待できない。
それならば軽量化の為に背中部分を無くしてしまおうというのがトップキルトの考え方であり、背面部分の防寒はマットやUQ(アンダーキルト)に任せ、掛け布団の様な形で前面の防寒を担当するのがトップキルトである。

トップキルトにも様々な形があり、完全に掛け布団のような1枚布パターンの物や、足部分だけフットボックスを付けたパターンの物、ジッパーやスナップボタン、ドローコード等を用いて寒い時だけフットボックス状にするパターンの物、などなど、ユーザーやメーカーのアイデア次第でカスタマイズが様々行われているのが現状である。

今回私が作るトップキルトには、

①寝具としてのキルト機能
②停滞中の保温着(ポンチョ型)としての機能
③寒い時に顔の一部だけ出す窓(要はsierradesign backcountry quiltのパ・・・インスパイア)

 

と欲張り3機能仕様で行くことに決めていた。

うんまぁ、苦労し無いわけが無いのである。
言うは易し、行うは難しとはよく言ったものだ。
ミシンを使い始めてからここまで実質2ヶ月程度、いつものことながら自分の無謀さには呆れる。

 

今回は冬用のトップキルトを作るので、中綿にはダウンを採用する。
化繊の進化も目覚ましいものがあるが、重量とパッキングサイズで依然ダウンが圧倒的に有利なので、行動着を除く冬用の防寒具(特に寝具)はほぼダウン一択といえるだろう。

ここで、既にご存知の方には申し訳ないが、ダウン製品について少し説明しよう。

ダウン製品を構成するのは、基本的に「表地」、「裏地」、そして中綿としての「ダウン」である。(他にダウンボックス等もあるが、ここでは割愛する。)
要は裏地と表地の間にダウンを封入するのだが、ダウンは動くものなので化繊のUQを作った時の様に、ただフチを縫えばいいというものではない。
ダウンの偏りが出るのを防ぐため、チューブ状に区切った区画にダウンを封入し、動きを制限するのが一般的な作り方となる。
ここで考えなければならないのが、どうやってチューブ状の区画を作るかである。
最も簡単な方法として、表地と裏地を直接縫い付ければチューブ状になるが、この手法には問題が有る。

 

例えばユニクロのウルトラライトダウンなんかはこうやってチューブ構造を作っている。 軽い防寒具には良い手法だが、寝具には向かない。

 

 

ダウンベスト等、軽さを求める防寒具ならこの手法も無くはないのだが、冬用の寝具など、高い保温力が必要となる場合は不適切な手法である。
そこで、今回は作ることが容易で保温力も期待できるバッフル構造を採用した。

 

この様に「表地ーメッシュの仕切りー裏地」という形でチューブ構造を作ることにより、縫い目からの冷気をある程度防ぐ事が可能となる。

 

このバッフル構造のキルトにおいて防寒性能の肝となるのは「バッフルの厚さ」と「封入するダウンの質と量」である。
今回はバッフルに3.5インチ(約8.9cm)の 0.67oz Noseeum mesh を用いた。
ダウンはメーカー曰くフィルパワー800のダウンを用いた。

と言った感じで設計図である。

 

今回は軽さを無視したゴージャスキルト!クリックで大きな画像が出ます。

 

バッフルの距離は15cmで統一した、唯一足先の部分に関しては冷え防止の為に+7cmしてギャザーを加えた。
設計図が出来たらまずはカットカットカットである。
縫い代は3cmに設定した。

今回のトップキルトは複雑な構造をしているので、最初に手順書を作る。

 

冬用トップキルト 手順書

1.設計図通りに表裏上下4つの部位を切り出す。
2.②のポンチョ機能の要、頭を出す部分を作る。
3.上下を合わせると同時に、頭を出す部分を本体に縫い付ける。
4.下半身側のギャザーを作った後、バッフルを縫い付ける。
5.上半身側のバッフルを③鼻と口を出す窓の下まで縫い付ける。
6.上半身側を窓の取り付けの為にカットする。
7.窓になる部分とその裏で冷気の侵入を防ぐ部分を作る。
8.窓になる部分を上半身側に縫い付ける。
9.上半身残りのバッフルを裏面だけに縫い付ける
10.裏面の冷気の侵入を防ぐ部分をバッフル部分をよけながら縫い付ける
11.バッフルを表地に縫い付ける。
12.頭側を縫い付ける。
13.足側を縫い付けるのと同時にドローコードで絞るための筒を縫いつける。
14.窓になる部分の左側からダウンを詰める。
15.左側のサイドをジッパーの片方と、留め具と一緒に縫い付ける。
16.残りのチューブにダウンを詰める。
17.右サイドを残りのジッパーと留め具と一緒に縫い付ける。

 

・・・・お、おう、書き出すだけで疲れるわ。
しかし、手順書を作っておくことで頭のなかでごちゃごちゃしていた手順が整理され、スムーズに縫製が進む。
複雑な物を作る時に頭のなかで考えるだけでは整理が付かない。
是非手順書を作ってから始めるようにしよう。まぁ作りながら手順が変わることも多々あるのだが・・・。

 

1.設計図通りに表裏上下4つの部位を切り出す。

 

まずは生地の切り出しである。
今回の生地はARGON 90と言う生地で、カレンダー加工による Windproof や Downproof のみならず DWR撥水加工もされている。
キルトや寝袋には最適の素材だ。

切り出しのラインを引く際、ズレ防止のために養生テープで端を止めてから生地を広げると良い。

 

生地の端から端まで使った大物だ、楽しいぞ-!

 

言い忘れていたが、印をつけたり半田ごてでカットする際には平板のトタン板を使うと良い。
テーブルに硝子の天板がベストらしいが、高すぎて買えたもんじゃない。
その点トタン板なら1,500円ぐらいで十分な作業スペースを確保できる。話のわかるやつだ。

 

テカテカした方がカレンダー加工されている方、どっちが表なんだろうか・・・・ざっと調べてもよく解からんかったので今回はテカテカしている方を表地とした。

 

カレンダー加工されているので、ダウンも飛び出しにくいし風も防いでくれる。
難点はどちらが表地かわからない点だが、察するにこれは好みでいいのだろう。
私はテカテカ面を表地に選んだ。テカテカゴージャスキルトだ!

 

チャコペンがすごく乗りにくい、DWR加工(撥水加工)されているからかな?筆圧が強すぎて生地を痛めないかヒヤヒヤしながら印をつける

 

 

 

2.②のポンチョ機能の要、頭を出す部分を作る。

 

上下表裏で計4部品を切り出したら、まず最初に行うのはポンチョ機能の要、頭を通す部分である。
頭を通す部分の作り方はいろいろなアプローチが有るが、コールドスポットを作らない事を重視してダブルジッパー式にした。

ジッパーなら閉めてしまえば確実に隙間を無くせるためである。

 

横から見た図である。申し訳ない、ここが一番むずかしいのだが、考えるのに夢中で写真がない。

 

今までジッパーを使ったことが無かった為、この部分は非常に難解だった。
想定していた方法が通用せず、3回ほど仕様変更を余儀なくされて、写真を撮る余裕が無かった。
ここは皆さんも想像力を働かせ乗り切って欲しい。

 

格闘すること3時間、ようやく形になった。ジッパー難しい。

 

今日はここまで!
ではまた!

 

  • B!

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