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冬用ハンモック装備 その2 ブリッジハンモックってな~に?編

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さて、いよいよハンモックキャンプの土台となるハンモックなのだが、今回私は、今まで作ったハンモックを流用するのではなく、チョット変わったハンモックを作ることにした。

皆さんはBRIDGE HAMMOCKというハンモックをご存知だろうか?
いきなり「ご存知だろうか?」と言われても困るだろう、多分以前の私でも困る。
というかハンモックの種別に興味が有る人自体そんなにいないのでは・・・・。

・・・おそらく「ハンモック」という言葉を聞いてぱっと思い浮かべるのは、ハンモックブームの火付け役、hennessy hammockや、以前このブログで紹介した初めて作ったハンモックenoSub7もどきの様な一枚布を両端で絞り、間に寝る形の物であろう。
この形の正式名称はGATHERED END HAMMOCKと言うのである。終端が集まっているハンモックという意味かな?多分。

それに対して、ブリッジハンモックとは布の両端に帯を縫い付け、その帯によって布をささえ、更にその帯を・・・・。
ややこしいな、こういうものだ。

↓こういうものだ。

私が作ったブリッジハンモックである。 なんかやけに平べったい。

 

特徴としては一枚布を左右の側面に有る帯(ウェビング)でひっぱり、そのウェビングをポールで突っ張る事でフラットに近い形で寝られると言うものである。
今やハンモックがブームではなくカルチャーとして根付きつつ有るアメリカでも、自作か一部のガレージメーカーから買うしか手に入れる方法がないマニアックなハンモックなのである。
※余談だが、最近じゃTHERMARESTまでギャザードエンドハンモックを出しているので驚く。

何故そんなマニアックなハンモックを作ったかというと、ギャザードエンドにはないメリットが有るからなのだ。

 

ブリッジハンモックのメリット
・フラットに寝られる
・軽量
・いい意味で狭い

 

ハンモックに詳しい方にとっては釈迦に説法かもしれないが、基本的にギャザードエンドの場合、ハンモックを張っている方向と平行(Horizontal position)に寝るのはおすすめできない。
構造上どうしても真ん中に荷重がかかりやすくなり、腰への負担が大きいためである。

 

メディアではこういう寝方をしている画像が蔓延しているため、これが正しいと思いがちなので注意したい。

 

そのため、ギャザードエンドハンモックでは少し斜め(ダイアゴナルポジション)に寝るのが正しいとされている。
その目的は、「なるべくフラットに寝るため」にダイアゴナルポジションを取るのである。

 

ハンモックを張っている方向と軸をずらすことにより、寝る面が平坦に近くなり、腰に掛かる負荷が激減する。

 

反面ブリッジハンモックはそのまま寝れる。
何故なら両端にある帯が橋に掛かるワイヤーの様に計算された曲線を描いている為、生地に掛かる力を上手くフラットに分散させるからである。

 

張力を上手く使い一番力のかかる真ん中の部分を支えるようになっている。故に腰部分が下がりにくくよりフラットな状態で寝ることが出来る。

 

下の写真は型紙を生地にうつしている所だが、左右が曲線を描いているのが解るだろう。

 

型紙を使って半分づつ型取りする。

 

これで何が良いのかと問われれば、寝る面がコンパクトになる点である。
コンパクトになると言う事は余計な布が要らない、つまり軽量に作れるということである。
一般的なギャザードエンドに必要な布のサイズが3m×1.4m程度なのに対し、ブリッジハンモックは2.1m×0.9m程度で、寝る面に関しては軽量・コンパクトに作れるのである。
まぁ実際は帯を突っ張るポールこと、Spreader barの重さ次第で総重量ではブリッジハンモックのほうが重くなる事が多いのだが・・・。
余談であるが普段からトレッキングポールを使う人はSpreader barとして流用することもできる。

 

今回縫い付けてあるサイドの帯は3/4″ Foliage Green Mil Spec Mil-W-4088 破断強度500ポンド(226kg)薄くて軽く、とても226kgに耐えられるとは思えないが・・・すごいもんだ。

 

重さとしてはグレーな利点だが、コンパクトさに関しては完全に分があるといえる。
冬のハンモックは背面の防寒が命である。
つまり、背面がコンパクトになると言う事はそれだけ背面の防寒具が小さくて済むということ、ひいては背面の防寒具(Under Quiltという)が小さくて済む=アンダーキルト(+winter socks)も軽量化出来るという利点がついてくるのである。

 

化繊の布を裁断する時はハサミよりもはんだゴテの方がおすすめである。切るのと同時にほつれ止めが出来るので後々の工程が楽になる。

 

私が使っているはんだごてとこて台を紹介する。
またはんだごてを使うときはトタン板を使うと机を傷めなくていい。

 

はんだごては適当なもので良いし、トタン板はホームセンターで買った方が良いので注意!

 

 

 

この様に様々なメリットが有る反面ブリッジハンモックには欠点もある。

 

ブリッジハンモックのデメリット
・寝返りを打てない
・Spreader bar が邪魔で重い
・対応した商品が少ない

 

ブリッジハンモックで不用意に寝返りを打とうとするとそのままひっくり返ってしまう。
構造上捻る力に極端に弱いため、寝相の悪い方はほぼほぼひっくり返って地面で目覚める事になるだろう。
そんな人は問答無用でギャザードエンドハンモックを選ぶべきである。

Spreader barが邪魔で重い。
メリットで軽さを語った舌の根が乾かぬ内にこんな事を書くのは申し訳ないが、トレッキングポールを使わない人にとっておそらくギャザードエンドよりもブリッジハンモックのほうが重くなるであろう。
Spreader barに強い力がかかるため、軽量化が難しく、前述したようにメジャーではないハンモックで有るため、現状アルミ以上の材質で作られたSpreader barを手に入れるのが難しい状況なのである。
普段からトレッキングポールを使用している人はトレッキングポールをSpreader barに流用すれば重量増にはならないが、それ以外の人にとってちょっとした邪魔者であることは間違いない。

また、マニアックなハンモック故、対応している商品が少ないのも欠点として挙げられる。
ギャザードエンドハンモックに対応したアクセサリは山ほど有るが、ブリッジハンモックに対応した物は限られた物しかなく、選択肢が少ない。
故に作るかギャザードエンド用で我慢するしかないのだ。

 

ブログにして気付いたが、おそらく寝相の面で万人向けとは言えない点がブリッジハンモックをマイナーたらしめている理由であろう。
幸運にも私は夜寝てた姿勢のまま朝目覚めるスーパー寝相が良いマンなので、その心配はないが・・・。
また私にとって対応商品が少ないのは問題にはならない。困ったときは知恵を出せば良いからだ。

作って使って考えて、改良して行くのがこのブログのコンセプトであるからして、利点は多いが一筋縄では行かないブリッジハンモックこそ、このブログで取り上げるメインのハンモックとしてふさわしかろう。

ブリッジハンモックの制作過程を載せたかったが、例のごとくこの時点でブログを始めようとは思っていなかった。
なので写真が全くない。取り敢えずどんなものなのかを紹介してお茶を濁すことにする。

次はきちんと工程を残すので、しばらくお待ちいただきたい。

  • B!

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